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執筆者の写真宮本雅子

母親が子どもに向けて「歌うこと」による“発見”


参加者に説明する宮本先生

こんにちは。ららばいプロジェクトの研究チームの宮本雅子(助産学)です。

ららばいプロジェクトのブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。


ららばいプロジェクト     

「研究チーム」

ららばいプロジェクトは、2018年に産婦人科医の亀田隆先生と声楽家の石井かおり先生との意気投合のもとに発足しました。

このプロジェクトには、亀田隆先生(医学)や石上浩美先生(教育心理学・音楽心理学)、その他、助産学の研究者で構成される多職種「研究チーム」があります。

初回は、ららばいプロジェクトに「なぜ研究?」のきっかけを書いてみました。

妊婦さん、今ママ真っ盛りの方、すでにママになってから久しい方、男性の方も“妊娠中“をイメージして読んでもらえたらと思います。

研究の“きっかけ”

私にとっての“妊婦さんが歌うこと“の出会いは1冊の本でした。

 

バース・リボーン  現代書館出版(1991)

ミッシェル・オダン著 久靖男訳       

 ※ミッシェル・オダン (フランスの産婦人科医)

 

この本に当時のフランスのピティビエ病院で行われてきた自然な出産と、妊婦さん対象の「歌の会」のことについて書かれています。

妊婦さんと歌

助産師として病院で勤務していた当時は、「マザークラス」でラマーズ呼吸法の練習を“音楽なし”で行っていました。2012年にこの本をもう一度読み直したときに「妊婦さんが歌を歌うってどういう効果があるのだろうか?」と思いました。


マザークラスでは、「お産を乗り切るための呼吸法の練習」を目的に「吐く呼吸を、少し長くゆっくり意識して行うこと+全身のリラックス」を行っていました。

でも、「歌を歌っている間は歌詞を無意識にゆっくりと吐きながら歌って、次の内容の歌詞の手前でとても短く息継ぎをして(吸って)、また少しずつ吐きながら歌う」・・・

・・・これは、まるでお産の呼吸法と同じようだ!と思いました。

妊婦さんとプレパパ向け講座の様子

歌と感情 

では、リラックスはどうでしょう?

歌を歌うときには感情を伴うことが考えられます。歌って「すっきりする」とか、「ジーンとくる」とか、「あのころを思い出して懐かしくなった」とか・・・そんな経験はありませんか?そのときの気分で歌のジャンルや曲を選んでいて、歌い終わったときの感情は、“そのときの自分“に照らし合わせることができるのではないかと思います。

妊娠中や産後の毎日の育児の中の自分と照らし合わせるとどんな気持ちになるのでしょう?

 新たな研究

バース・リボーンでは,「歌うこと」の心身の効果については検証されていません。

もし、妊婦さんが「お腹の赤ちゃんに“歌い聴かせる“」と妊婦さん自身はどう感じるのでしょう?

妊婦さん自身が元気になる?リラックスできる?楽しくなる?

そしてお腹の赤ちゃんにママやパパはどんな思いをはせるのでしょう?


さらに、妊娠中の体の変化から、歌うことが妊婦さんにとってメリットがあるのでしょうか?

産後も子どもとは長いお付き合いですね。ママが赤ちゃんに向かって歌うことってどんなことなのか?・・・

・・・たくさんの研究疑問がありますが、実は、これまであまり研究がなされていません。


「おんベビ!」での研究

私たち研究チームは、ららばいプロジェクト発足後、プロジェクトの活動で何を明らかにしていくか検討を重ねて、過去の国内外の研究論文を検討したり、妊婦さんを対象にしたワークショップを開催するなど下準備を進めてきました。

 現在は、ららばいプロジェクトでは「おんベビ!」で調査を行っています。


 

次回は、「歌うこと」にまつわるいろいろな疑問に対して、わかってきたことを綴ってみたいと思います。




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